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マラソン練習が週2回に減ったときの優先順位|残す練習・見送る練習


「今週は2回しか走れない。LSDを残すべき? それともLT走? 走れなかった距離は、どうすればいい?」

仕事が立て込む、子どもが体調を崩す、週末に家族の予定が入る。出張、会議、雨や暑さで、練習の予定は簡単に変わります。予定どおりに走れなかった週ほど、距離を取り戻したくなりますが、生活を崩してまで埋め合わせる必要はありません。

まず押さえたいこと週2回になった週は、普段の練習を2日に詰め込まない。

走れるなら、フルマラソンに向けたLSDを1本残せるか考えます。もう1本は、LT走・テンポ走・インターバル・軽いジョグから、その週に必要な目的を一つだけ選びます。痛み、病気、強い疲労や睡眠不足があるなら、練習を減らす・休む判断を優先します。

この記事は、急な予定変更があった週に、練習方針をどう組み替えるかを考えるための記事です。週2回だけで目標タイムを達成するための万能メニューではありません。

この考え方が役立つ人・まず休むべき人

この考え方が役立つのは、普段は週2〜3回ほど走っており、仕事や家族の予定で一時的に練習枠が減った人です。たとえば「平日朝に45分、週末に90分は取れそうだったが、子どもの発熱で週末が使えなくなった」「繁忙週で帰宅が遅く、予定した1本を外すことになった」といった場面を想定しています。

完走を目指す人、サブ4・サブ3.5を目指す人のどちらにも、忙しい週に優先順位を決める考え方は使えます。ただし、走り始めたばかりの人は、まず無理なく走る・歩く時間を積み重ねることが先です。高い走力がある人は、レース日程や普段の負荷に合わせて、より個別に組み替える必要があります。

予定が変わった理由によって、最初に取るべき行動も変わります。

  • 仕事・家族・天候で時間が取れない:この記事のように、今週の練習を組み替えます。
  • 睡眠不足や疲労が強い:練習の内容を軽くするか、休みます。生活の立て直しを先に考えます。
  • 痛み、病気、けがからの復帰直後:練習の最適化より、症状の確認と回復を優先します。
次の状態では、練習を増やす前に休養や相談を優先してください。
  • 走ると痛みが強くなる、病気からの復帰直後である
  • 強い疲労が続く、睡眠が取れていない
  • 走ることが日常生活にも支障を出している
  • 2週間以上ほとんど走れていない

健康面に不安がある場合は、医療職や有資格の指導者へ相談してください。

夜の食卓で、疲れた様子でランニングの予定を見直すランナー
疲労が強い日は、走る前に休養を選ぶことも次の練習につながります。

まず押さえたい、マラソン練習の前提

練習回数や月間距離だけで、マラソンの結果は決まりません。走歴、レースまでの期間、睡眠、疲労、生活の予定、目標タイムが重なって、その週にできる練習が決まります。

ここでいう「繰り越さない」とは、走れなかった距離や月間走行距離の目標分を、翌週の予定に追加しないという意味です。走ることで得たいのは、距離の数字そのものではなく、持久力やペース感覚への刺激と、その後に回復する時間です。回復が足りない状態で距離だけを足しても、失った練習をそのまま取り戻せるわけではありません。

大規模な記録を用いた研究では、7日以上まったく走らない中断と完走タイムの低下には関連がありました。ただし、普段週3回の人が一時的に週2回になった状況を直接示すものではありません。「1回減ったら走力が落ちる」と受け取る必要はありません。

週2回なら何を残すか

週間カレンダーの中で、現実的な二つのランニング時間を選ぶイメージ
家族や仕事の予定を先に入れ、走れる二つの時間から優先順位を考えます。

走れる日が2日あるなら、基本は「LSDを1本」と「その週の目的を絞った1本」です。どちらも必ず実施する処方ではなく、疲労や生活の予定に合わせて選びます。

1本目|LSDを残せるか考えるゆっくり長く走るLSDは、フルマラソンに向けて長い時間動く感覚を確かめる練習です。距離と時間は、直近の練習量や疲労に合わせます。
2本目|目的を一つに絞るLT走、テンポ走、インターバル、目標ペース走、軽いジョグ。今の課題と体調に合うものを一つだけ選びます。

LSDは、長い時間動くための土台になる

LSDは「Long Slow Distance」の略で、会話できる程度の楽な強度で、ゆっくり長く動く練習です。私の場合、通常週は10〜21kmのLSDを2回行い、21kmはレース前に月1回程度でした。年末年始に走る回数が減ったときも、ロングジョグは残しました。

レース後に感じた反省は、もっと長い距離を動く経験が必要だったということです。大会前は月間約100km、最長はおおむね21kmでした。市民ランナーを対象にした観察研究でも、週40km未満・最長25km未満の群ほど完走時間が遅い関連が報告されています。

ただし、この研究は「25km以上走れば必ず速くなる」という意味ではありません。私の失速原因を証明するものでもありません。自分の走力や疲労を無視して、急に距離を増やすのは避けてください。

2本目は、目的に合う練習を一つ選ぶ

用語が分かりにくい場合は、次のように考えると十分です。

  • LT走・テンポ走:少しきつい一定のペースを保つ感覚を確かめたいとき
  • インターバル:速い区間とゆっくりした回復を交互に行う練習。普段から取り入れており、十分に回復できているとき
  • 目標ペース走:目標とするレースペースを、短い時間で確かめたいとき
  • 軽いジョグ:疲れを残さず、走る習慣をつなぎたいとき

私の通常週の高強度側は、連続7〜8kmのLT走でした。一方、家族行事で週2回になった年末年始は、ロングジョグを優先してインターバルを外しました。

これは「インターバルは不要」という意味ではありません。その週の生活と目標を考えたとき、優先度が下がったというだけです。疲労が強い週なら、LT走やインターバルを入れずに軽いジョグを選ぶほうがよいこともあります。

今週は、何を見送るかも決める

週2回しか走れない週は、何を入れるかと同じくらい、何を見送るかが大切です。見送る候補は、月間距離の帳尻合わせ、疲れが残っている状態での高強度練習、目的が重なる練習です。

「できなかった」と考えるより、生活と体調を優先して「今週は選ばない」と決めるほうが、次の週に落ち着いて戻りやすくなります。

予定が変わったときの対応方法

家族の体調不良、子どもの行事、仕事の繁忙期、出張、会議、雨、暑さ。予定変更を完全に防ぐことはできません。そこで、週の初めに次の3つの状況を想定しておきます。

1. 2回走れるなら、LSDと目的を絞った1本にする

週末にまとまった時間が取れるならLSDを候補にし、もう1本はLT走・テンポ走・インターバル・軽いジョグから一つ選びます。インターバルを選ぶのは、普段から実施していて、睡眠や疲労が整っている場合です。限られた2日へ、複数の高強度練習を詰め込む必要はありません。

2. 短い時間しか取れないなら、目的だけを残す

平日朝に30〜45分しか取れないなど、予定より短い枠しかないときは、距離を埋めるのではなく、その日の目的を一つだけ残します。軽いジョグで習慣をつなぐ、短い目標ペース走で感覚を確認する、といった選び方です。LSDを無理に短く分割して「同じ練習」にしようとする必要はありません。

3. 1回しか走れない、または疲労が強いなら、回復を優先する

1回しか時間が取れない週や、睡眠不足・強い疲労がある週は、練習を濃くして埋め合わせません。痛みがなく、楽に走れそうなら短いジョグや、その時点で最も優先度の高い1本を選びます。日常生活に支障があるほど疲れているなら、休養を選びます。

翌週は、走れなかった距離を追加するのではなく、元の計画に戻せるかを確認します。週1回しか走れない状態が何週も続く場合は、レース日程や目標タイムを含めて計画を組み直します。

私の実例:週2回になった年末年始に行ったこと

2026年1月18日の第4回にしおマラソンが、私にとって初めてのフルマラソンでした。正式タイムは3時間23分台です。

大会前3か月は、おおむね週3回・月間約100km。連続7〜8kmのLT走1回と、10〜21kmのLSD2回が基本でした。21kmのLSDはレース前に月1回程度です。

年末年始は家族行事が多く、週2回程度しか走れない時期がありました。その週に残したのはロングジョグで、外したのはインターバルです。ただし、この判断だけで3時間23分台を走れたわけではありません。通常週の積み重ねや、トライアスロン・水泳の経験も背景にあります。

また、初マラソンでは前半を目標よりかなり速く入り、後半に失速しました。ペース配分と長距離経験には課題が残りました。この話は別の記事で詳しく扱います。

よくある質問

走れなかった1本は、翌週に追加したほうがよいですか?

基本は追加しません。ここでいう「追加しない」は、走れなかった距離や月間走行距離の目標分を、翌週の予定に上乗せしないという意味です。距離を足すより、その週の疲労と予定に合わせて元の計画へ戻すことを考えます。走れない週が続くなら、目標やレース日程を含めて計画を見直します。

朝は早起きできず、夜も子どもの寝かしつけで走れません

その日は走れなくても大丈夫です。睡眠や家族との時間を削って距離を回収するより、次に取れる時間から再開します。こうした週があらかじめ分かっているなら、最初から「短い時間しか取れない場合」と「1回しか走れない場合」の対応を用意しておきます。

週末は家族の予定があり、LSDの時間を取れません

短い2本に距離を分けて帳尻を合わせる必要はありません。短時間の軽いジョグに替える、または今週のLSDを見送る判断もあります。家族の予定を先に入れ、LSDは時間を取れる週に置けるよう調整します。

週1回しか走れません。この記事の考え方は使えますか?

一時的に週1回になるなら、「走れなかった分を埋めない」「疲労が強ければ休む」という考え方は使えます。ただし、週1回が続くなら、この記事の週2回の組み方を当てはめる段階ではありません。今の生活で続けられる目標にいったん組み直します。

睡眠が5〜6時間で、疲れが抜けません

睡眠はマラソン練習以前に、生活全体の土台です。高強度練習を減らす前に、就寝時刻、夜の作業、飲酒やスマートフォンなど、睡眠を妨げる要因を見直せないか考えてください。生活が落ち着かない時期は、走力を伸ばすより、睡眠と回復を守るほうが優先です。

週2回とも連続した日しか走れません

連続2日で走るなら、両日を高強度にしません。片方は軽いジョグや短いLSDにして、もう片方にその週の目的を一つだけ置きます。どちらの日に強度を置くかは、翌日の家族・仕事の予定と、疲労が残りやすいほうを基準に決めます。

まとめ:予定どおりに進まない週こそ、生活を優先する

週2回に減った週は、練習を失敗した週ではありません。家族、仕事、体調、天候など、生活には予定外のことが起こります。

  1. まず、痛み・病気・強い疲労がないかを確認する
  2. 走れるなら、LSDを1本残せるか考える
  3. もう1本は、目的を一つだけ選ぶ
  4. 走れなかった距離を翌週に追加しない
今週やることカレンダーを見て、「2回走れる」「短時間しか取れない」「1回だけ/休む」の3通りを決めておきます。

家族や仕事の予定を先に入れ、その後に走れる時間を置きます。予定が変わったら、今の状況に合う対応へ切り替えれば十分です。

参考にした研究

本記事は個人の経験と公開研究をもとにした一般的な情報であり、個別の診断・治療・成果を保証するものではありません。